ビケンテクノ横領問題の推移!

マンションの判例,有益情報

ビケンテクノ元管理課長起訴事実認める。着服したカネギャンブルに・・。

業務受諾する管理組合の財産を着服したとして、業務上横領の罪にとわれたビケンテクノ(本社大阪)の元管理課長・亥野宏一郎被告(68)の第二回公判が4月24日、大阪地裁(水落桃子裁判官)であった。

亥野宏一郎被告は、今年2月10日付で起訴された大阪市中央区の1管理組合での横領事件についてこの日、起訴事実を認めた。着服額は計4759万5640円。この日は同管理組合における事件を審理。求刑などは行われなかった。次回は6月3日の予定。

検察の冒頭陳述によれば、亥野宏一郎被告着服金額の一部を、この管理組合以外の管理組合で不正に入手し使い込んだカネの穴埋めに使った。うその投資話でカネをだまし取った相手に対する返金や配当の支払い、競艇や競馬などのギャンブルにも消費した。被告は証券会社で勤務した経験があった。投資話については、業務を受諾していたマンションでの出来事などかどうか言及はなかったが、同社の外部調査委員会が公表した報告書では複数の組合員への投資勧誘が指摘されている。

横領の手口は、消せるボールペンで払い戻し請求書に金額を記入し役員が管理組合の印鑑を押印後、金額を消し書き換えていた。印鑑を預かり出金していたこともあった。そのまま現金を持ち帰ったり、管理組合名義の普通口座から第三者名義の口座を経由して自身の口座に振り込ませていた。

同社職員の供述調書では、ビケンテクノ・マンション管理課の金庫内に知らない間に管理組合の印鑑が保管されていたことや職員も知らない払い戻し請求書が存在していることが判明した、としている。

       マンション管理新聞第1301号より、引用

私見:管理会社の横領事件は後を絶たないが内部のチェック体制の甘さが遠因となっている事実を否定できない。今回の事件は、ビケンテクノの金庫内に管理組合の印鑑があるのを他職員が確認していた事実があることも判明しているが、実務上、管理会社が印鑑や通帳を預かることが無いとは言えない。管理組合の役員の代わりに管理会社のフロントマンが銀行へ足を運び振込や出金、業者への支払いを行うことはよくある。しかし、管理組合を担当するフロントマンは一般的には一人で対応しており、フロントマンが亥野宏一郎被告のように悪知恵を働かせれば何でもできる。いずれは発覚するが確信犯であれば怖くないのだろう。管理組合への被害弁済は当然であり、ビケンテクノ内部の自浄作用と同社の外部調査委員会がチェック体制の甘さを指摘し改善策を講じるのを期待したい。