一括高圧受電やるべきかやらざるべきか?!
判決文の抜粋「共用部分の変更及び管理に関して集会の決議で決した以上、当該決議に反対した区分所有者であっても、この決議に従うのが共同利用関係にある区分建物において当然の理であって、本件規約6条1項は、このことを確認するものである。しかして、高圧受電の導入は、全区分所有者が北海道電力との間の低圧受電に関する電気供給契約を解除しなければならないものであり、被告らも、本件各総会決議に至るまでの本件団地管理組合の会報等を通じてこのことを知っていたものと推認される。しかるに、被告らは、本件各総会決議に従うことなく、専有部分の電力供給元は自由に選択することができるなどの意見に固執して、本件団地管理組合の期限までに本件解約書面等を提出せず、このため、本件マンションの専有部分における高圧受電の導入を実現することができなかったものと認められる。そうとすれば、被告らが本件解約書面等を期限までに提出しないために専有部分ににおける高圧受電の導入ができず、このため区分所有者または居住者が高圧受電導入による低廉な電気料金の利益を享受することができなかったとすれば、被告らは、区分所有者又は居住者の権利又は利益を侵害したものとして、不法行為による損害賠償請求権に基づいて、差額の電気料金を賠償すべきである。」
H29/5/24 札幌地方裁判所
私見:高圧受電のメリット、デメリットを以下紹介します。
高圧一括受電のマンションのメリットは、大手電力会社の一般的な電気プランの価格と比較して電気代が安いことです。高圧一括受電とは、要するに電気を大量に購入して安く仕入れ、それをマンションなどの住人に配ることです。料金プランは電力会社によって異なりますが、エレベーターや廊下などの共有部は10~40%、室内など住人ごとの専有部は平均で5%程度安くなります。高圧一括受電にはデメリットもあります。1つ目は、各家庭の住人が自由に電力会社を選択できないことです。ガスと電気のセットやスマホと電気のセットのある電力会社、深夜の使用料金が安い料金プランを持つ電力会社など、電力自由化以降、選択の幅は大きく広がりました。家庭にぴったりのプランがあっても自由に電力会社を選べないのはデメリットと言えます。(電気の比較インズウェブから引用)