マンション管理士が管理者になった(第三者管理)!
入居当初から自主管理だった福岡県北九州市八幡西区の「第22プリンスマンション」(築42年、67戸+店舗1)では、マンション管理士が4年前から管理者として管理組合理事長に就任し支援している。
第三者管理者として管理組合理事長を務めているのはマンション管理士の引間金夫氏。
長寿命化促進税制を活用し、固定資産税の減額を実現等。
管理組合は、4年前に管理規約を変更し外部役員に関する規定を新設した上で引間氏を選び改善を始めた。
副理事長の宮崎勝彰氏は認定制度について「管理はどこまでやったらいいか、正直分からない。こういう基準をクリアしていたら安心する。”うちのマンションは大丈夫なんや”と思う」と語る。外部管理者を導入したのは「本当に正しい管理はどうしないといけないのか、なかなか自分たちの内側だけでしていたら分からない」(宮崎氏)との考えがあったからだ。
当時「第22プリンスマンション」には長期修繕計画がなかった。大規模修繕工事が3回入った計画期間36年間の長期修繕計画を作成し21年3月21日の臨時総会で決議した。
この長期修繕計画を基に同年10月24日の臨時総会で修繕積立金の大幅な値上げも決議。引間氏によれば従来は戸当たり一律6000円で、1㎡当たりで換算すると84円。これを約2.4倍の1㎡当たり200円に引き上げた。
マンションの長寿命化促進税制の要件の一つ「21年9月1日以降に修繕積立金の額を管理計画の認定基準まで引き上げたこと」を図らずもクリアした。
この総会では、03年7月以来となる2回目の大規模修繕工事の実施も決議。工事は共用玄関のオートロック化など改修工事も実施している為、借り入れを行った。
大規模修繕工事については今年8月29日に完了し、長寿命化促進税制の要件がすべて揃い、9月に必要書類を市に提出した。
こうして、固定資産税の減額という恩恵を店舗以外の区分所有者が受けることができた。
マンション管理新聞1256号より、引用
私見:まず、第三者管理方式を簡単に説明すると、管理組合の運営を「管理会社」や「マンション管理士」などの第三者に任せることで、マンション管理の専門家であるマンション管理士等が理事長などの役員に就任して、役員不足で困っているマンションの手助けを専門家がおこなう方式です。平成28年に国土交通省が作成した標準管理規約の改正が行われ、理事に専門家が就任することを前提とした「外部専門家を役員として選任できることとする場合」という条文が追加されました。今回の引間氏の理事長就任はこれらの改正を受けてのものですが長寿命化促進税制要件取得にかかわらず、高齢化と老朽化の道を避けて通れないマンションにとってマンション管理士の活用は不可欠だと思います。