マナーが悪いのはマンション居住者だけ??
顧問先マンションの役員の皆さんや理事長は、70歳を超えた高齢者の方々が増えてきました。そうした、役員の方々や理事長から、最近、エントランスやエレベーターの中で挨拶をしても会釈だけで済ます人や中には一瞥して何も答えない人がいますという愚痴ならぬ不満を聞くことがあります。
マンションの専用駐車場の出入口にチェーンゲートを設けているマンションは少なくありませんが、リモコンの操作ミスや前の車に続いて通過しようとしてチェーンを車で引っ掛けてしまい、チェーンが破損する事故も頻繁に起こります。事故を起こした方が管理組合や管理会社にきちんと申告してくれれば良いのですが申告が無いケースも結構あります。
そういう場合、防犯カメラで確認し、後日声を掛けて修理費を負担してもらうことになります。
ペット可のマンションでは、共用廊下、階段、エントランスの隅や駐車場敷地でオシッコや糞の形跡があり、先日は、エレベーターの中で人による放尿事件もありました。
ゲスト用の駐車場がないにもかかわらず、空き区画や敷地内の通路に長時間無断駐車をする車もあります。
理事会に出席するとそういう居住者に対しての不満が役員の方々から噴出します。しかし、マナーの悪い人の存在は、マンション居住者に限ったことではありません。
私的なことで恐縮ですが、子供等(ほとんどが社会人)が大きくなってからというもの公共交通機関を使って夫婦二人で出かけることなど皆無でありましたが、先日、用事があって熊本から福岡まで出かけました。普段は、車移動ですが、新幹線を利用しての日帰り旅でした。
貧乏所帯なものでグリーン車や指定席は使わず自由席での往復でした。行きは朝が早かったもので空席が目立ちましたが帰りは金曜日の夕方、8両編成の新幹線さくら、前から3両のみが自由席でプラットホームには長い行列が出来ていました。7月後半の蒸し暑さの中、汗だくになって30分ほど並び2両目に何とか滑り込みました。 進行方向左側3連席(進行方向右側は2連席)の左側3連席の内、窓側の席を除いた2席が空いているのを見つけ窓側に座っていた女性の方に「お隣宜しいですか?」と妻が声を掛けていました。
30分、立ちっぱなしでやっと座れた安堵感で「ホッ」としておりました。
車両に乗り込んで10分もすると久留米に到着し、窓側の席に座っておられた女性の方は下車され、私たち夫婦は窓側に移り、通路側の席が一つ空きました。あと30分ほどで熊本だなーと思いにふけっていると空いていた通路側の席にドスンと短パンを履いた若者(おそらく30代)が尻もちでもつくかのように腰をおろし、大きな荷物を膝の上に置いたのはいいのですが、お隣の座席のスペースに納まりきれず、私の方の座席に越境攻撃が始まりました。さらに、大きく足を組み隣に腰掛けている私ども夫婦は眼中にない様子でした。
私も妻も長距離バスや列車を利用する時(飛行機のように指定席がある場合は例外)は、必ず、「ここいいですか?」「お隣いいですか?」「すみません」等のキーワードを使いますが、最近はこういうキーワードを使って座る方は少ないような気がします。
勿論、自由席なので誰がどこに座ろうが自由なんですが、この声かけがあるのとないのでは後の気持ちに雲泥の差が生まれます。車の離合や枝線から幹線に侵入する時に車を譲ってくれた方へ会釈や手を挙げるなど応答が大切なように人間同士のコミュニケーションでは挨拶がとても大切です。私は、自分が礼節を弁えた日本人だとは言いませんがそうありたいと思っています。
こういった行為が無いばかりに煽り運転のきっかけをつくってしまう場合もあります。(危険な運転にクラクションを鳴らしたばかりに煽り運転のきっかけをつくってしまうケースもありますし、そもそも煽り運転をする人の人間性に問題がある場合もあります。)
私たち夫婦は、熊本で下車しましたがその若者は下車の様子はありませんでした。
私たち夫婦が荷物をまとめるなどの下車の様子を見せはじめると、その若者はなんだかそわそわし始め、私の方から「ここで下りないの?」と声を掛けました。なぜ、声を掛けたかというと熊本で下車する方が結構多く、その若者も熊本で下りるのではと思ったからです。
相手の目を見つめながら声を掛けましたが、終始無言で中央の通路に出る素振りを見せた私たちにすり抜ける空間を空けてくれたのみでした。
通路に出て出口の扉に向かう列に並んでいましたが、ひょっとして口が聞けない若者だったのではと思い後方を振り返り若者を見ましたが、妻が腰掛けていた窓側の席に座り、暗くなった窓の外を眺めていました。(聾啞者の方であったならば何とも申し訳ないことです。)
座る時にも声を掛けず、目を見て声を掛けたにもかかわらず返事をしないこの若者に対して、立腹する私は大人げないのかも知れませんが、先にあげた、道を譲る行為の後の応答の無さは日常車を運転していると頻繁にあります。
マンション居住者に限らず、これらの声掛けや会釈、挨拶、応答の無さは社会生活において住みづらさを増幅していくだけなので良いことではありません。
とくにマンションのような狭い空間では、これらのことが原因で人間関係に亀裂が入り、対立に繋がるケースもあります。
挨拶が無かったばかりに殺人事件になった隣人同士のトラブルさえあります。
自然界では、チンパンジーが挨拶をする動物として確認されているようです。
マンション内のコミュニティ形成はどこでも苦労の種ですが、挨拶の励行はプラスの材料になりますので私たちもチンパンジーに負けないよう心掛けていきたいものです。