共同利益背反行為の停止等請求事件!

その他,マンションの判例,役員関連,管理組合関連

マンション管理組合の管理者である原告が,マンションの住戸を賃借している被告に対して,被告が当該住戸を障害者グループホームとして利用していることが,マンションの専有部分を住宅以外の用途に利用することを禁止しているマンション管理規約の規定に違反しており,これにより区分所有者の共同の利益を侵害していると主張して,①区分所有法57条4項,1項に基づき,当該住戸をグループホームとして利用することを禁止するよう求めるとともに,②マンション管理規約に基づき,提訴に要した弁護士費用等合計85万0430円及び遅延損害金の支払いを求めたところ,裁判所は,①について,マンション管理規約の趣旨及び目的等に照らして,被告による障害者グループホームとしての利用は,マンションの専有部分を住宅以外の用途に利用することを禁止しているマンション管理規約の規定に違反し,区分所有法6条3項,1項の区分所有者の共同の利益を侵害する行為に該当すると判断し,②について,提訴に要した弁護士費用等が合計85万0430円であると判断し(ただし,仮執行宣言は②の請求についてのみ付与),原告の請求を全部認容した。

                    R4/1/20 大阪地方裁判所  第22民事部

私見:管理規約の違反行為をどのような形で訴訟提起するか、その判断次第では門前払いになる可能性もあるが、障害者グループホームとしての利用を「共同の利益を侵害する行為」と位置付けた判決は大きい。何故なら、グループホームも社会的に十分な保護法益に値するのでは??という気持ちがあるからである。