給水管の延命方法!

マンションの判例,有益情報

従来の方法1(エポキシライニング工法)

配管内に発生した赤さびを高圧の砂を送ることで除去し、其の後、エポキシ樹脂注入を行い管内部を保護(コーティング)することで赤水を解消する方法であったが、エポキシ樹脂が管内部にくまなくいきわたることに難点があり、管の上部の方の被膜がうまく形成されないなどのデメリットがあった。つまり、エポキシライニング工法は、独立して完成しうるものでなくその後、10年前後で配管の更新工事を行うことで完成されるものである。

従来の方法2(赤さび防止対策)

〇磁気装置  磁気装置は、ビルやマンションの給水管のように一過性の水の使用に対しては、あまり防錆効果がないという厚生労働省の「おいしい水研究会および(社)腐食防食協会による報告もある。(参考文献参照)、また、磁気装置を設置すると配管内の赤さびが流出し、漏水が発生したり管の劣化が早まることがあると言われている。その理由としては、磁束密度が管径の約2乗分の1に比例して減少することと、磁気誘導電流を発生させるためには流れる水の速度が約2m/秒必要なのに対して、実際の流速が0.5m/秒程度であることが指摘されている。

〇セラミック装置  磁気装置と同様セラミック装置を設置すると給水管内の赤さびを流出させるため、配管の漏水を発生させたり、配管強度を劣化させると言われている。使用されているセラミックは幅広い波長で遠赤外線を発生させており、これが水に効果的な作用を起こすためには、セラミックと水が少なくとも5時間程(約18000秒)接触しつづけることが必要になる。ところが実際のセラミック装置は、設置する場所がポンプ室や屋上の高架水槽、受水槽の2次側で設置スペースが限られている為、1mのステンレスの円筒状のケースに球形のセラミックボールを充填したものになっている。その中を水が0.5m/秒で通過すると、セラミックとの接触時間は僅か2秒であり、必要な接触時間の約1万分の1程度であるため、そこから得られる物理的作用も限定的であると考えられている。

〇脱気装置  水中に含まれるすべての気体を水中から取り除く方法で、装置設置後はその取り除いた酸素分だけ赤さびの発生を遅くすることができる。水の使用が少ない時は脱気率は高まり、赤さびの発生を抑制するが、集合住宅の夕方など水を多量に使用するときは脱気能力がおいつかず、脱気率が低下することでその効果が半減してしまう。

〇 オゾン工法  管内をオゾンで洗浄することで、管内の汚れを取り除くことができますが、オゾンは発がん性物質とされているため、その使用には注意が必要。

 

最近の給水管の延命方法

最近、病院で使用されている断層写真撮影のMRIに利用されている核磁気共鳴(NMR)技術を利用すると、配管中のすべての赤さびをマグネタイトに還元できることがわかった。NMR工法は断水工事の必要がなく、日常生活にまったく影響を与えないので、その費用も配管更新の1/10程度に抑えることができる。また、装置設置後もメンテナンス費用はほとんど必要ない理想的工法といえる。

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