破産債権、免責決定以後の管理費等の扱い??

マンションの判例,管理組合関連,管理費・修繕積立金関連

Yは、マンション専有部分を区分所有し、管理費等を滞納していたところ、破産手続き開始決定がされ、Aが破産管財人に選任され、本件区分所有建物が破産財団に組み込まれたものの、Aが破産財団から放棄し、破産手続き廃止決定がされ、免責決定もされたところ、Xは、本件区分所有建物を不動産競売手続きにおいて買受け、B管理組合に滞納に係る管理費等を支払った後、Yに対して求償を請求した。原判決は、管理費等は破産債権であり、免責決定により免責された等とし、一部の求償請求を棄却すべきものとしたが、前記放棄の後、Xが本件区分所有建物を取得するまでの間に発生したものについては所有者として支払い義務を負い、Xが求償権を行使することは信義則に反しないとして、求償請求を認容すべきものとしたため、Yが上告した。本件では、管理費等の求償権につき破産者の免責決定による免責が認められるかが問題になった。本判決は、破産財団からの放棄により自由に使用収益処分する地位を与えられたものであり、権利の濫用、信義則違反にならないとし、上告を棄却した。

               H23/11/16 東京高裁