管理者の選任と解任!

マンションの判例,役員関連

管理者たる理事長の理事長職を理事会で解任する決議について、理事長、副理事長、会計担当理事および書記担当理事は、理事の互選により選任するとの役員互選の規定は、理事長という役職の選任は理事会の決議で行うとの意味であり、一旦選任された役員を理事会決議で解任することは予定されておらず、一審原告の役職を理事長から単なる理事に変更することを内容とする理事会決議は無効であり、これと一体としてされた新理事長の選任の決議も無効であるとされた。

                           H28/10/4 福岡高裁

最高裁平成29年12月18日判決で判例変更か??

理事会における解任権が明確に定められていなかった事案において最高裁判所は「管理組合の規約にもとづき理事の互選により理事長を選任する、と定められている場合、理事長の職を解いて別の理事を理事長とすることも理事会に委ねる趣旨」と判示した。つまり理事長の人選については全体的に理事会に委ねられているので、解任権がはっきりと規定されていなくても理事会決議で解任できる、と受け止める。

この判例の判断内容からすると以下の要件を満たす場合には、理事会決議で理事長を解任できると考えられる。

  • マンションの理事を組合員の中から総会で選出する規約がある
  • マンション規約上、理事長は理事の互選によって選任することになっている

よって理事会の過半数決議で理事長の解任や理事の変更が決議されれば、理事長の職を解くことができる。

私見:理事長が暴走が懸念される組合もあり、その場合、総会でしか理事長の解任ができないとする管理組合には大きな負担となる。前年の福岡高裁の判例変更されたと考える。