マンションの一室で自殺！隠れた瑕疵になるか？

X及びYがZから購入した住戸において、売買契約の数年前にZの妻が自殺していたことが売買契約の後に判明した。これは、隠れた瑕疵にあたり、家族で暮らすには妥当性を欠き、契約を解除する相当性があるとして、X及びYの請求が認められた。

XとYは、自殺の事実を知っていれば購入することは無かったと契約解除と損害賠償を求め提訴。

Zは、契約目的を達成できないほどの重要なものではなく契約解除の原因には当たらない、と主張。

判決は、建物は継続的に生活する場であるから、建物として通常有すべき設備を有しない等の物理的欠陥のみもならず、嫌悪すべき歴史的背景に起因する心理的欠陥も、建物の隠れた瑕疵にあたると、XとYの契約解除と損害賠償を認めた。

私見：ストレス社会と言われる今日、目に見える有形の原因に起因しない無形の原因に起因するストレスが増加している。「嫌悪すべき歴史的背景」とは、名文句だと思う。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　H1/9/7　横浜地裁